2015年8月23日日曜日

始まりの一枚と一冊




 ペーター・ホフマンの歌う「スカボロフェアー」を、知ったのは、塚本邦雄さんの著書「世紀末花傳書」でした。



 この本のことは、知人から教えていただいたのですが、もう、絶版になっていてネットで古本を購入しました。

 その本にペーター・ホフマンの歌う「スカボロフェアー」のことが、このように書かれていたのです。



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「土地を一エイカー見つけてもらってほしい、(丘の中腹、木の葉が散らばる)パセリにセージ、ローズマリーにタイム(銀色の涙でお墓を洗う)鹽水(しおみず)と、それが打ち寄せる岸の間に(永く忘れていた子を思い出す)そうすれば僕の
真実愛する人になる(そうすれば私の真実愛する人になる)」、以上はクライマックスとなる三番。括弧内はソプラノのデボラ・サッスーンの唄うキャノンの部分、その至妙な絡み合いが聴いてほしい。ここへ来ると私は必ず涙が溢れそうになる。ホーフマンの表現力の極限である。感動はワーグナーをすら超える。
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    引用「世紀末花傳書」塚本邦雄著・222p、223p




 そこで早速このCDも取り寄せて聴いてみました。

 ペーター・ホフマンは、ドイツテナー御三家といわれる歌手で、デュエットをしているソプラノのデボラ・サッスーンも透き通るようなやさしい美声です。

 あのスカボロフェアーが、オペラのような物語になっていました。




 塚本さんは、歌人ですが卓越した王朝短歌の評論も書かれています。

 ここ数年、彼の本を読み始めるきっかけとなったのがこの「世紀末花傳書」であり、ペーター・ホフマンの「スカボロフェアー」でした。




 本との巡り合いの縁は不思議です。
 そして、この本とCDのことを教えてくださった方とも、ご縁ができました。

 





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